トップ  >  箱庭療法

箱庭療法について

「箱庭療法」は、心理療法において用いられる表現療法の一つです。

砂の入った木箱(縦57cm、横72cm、高さ7cmの大きさで、砂を掘ると水が出たような感じにすることを配慮して内側は水色に塗られています)の中に、ミニチュアを自由に置いていき、一つの作品を作っていくものです。

「さんクリニック」では、1回20?30分程度としています。

もちろん、上手、へたは関係ありません。自由に、自分が作りたいように作ります。

「箱庭療法」は、言葉に出来ない、伝えきれない思いや気持ちが、箱庭を通して現れる中で、その人の自己治癒力が少しずつ働き出し始めるようなイメージです。 自己治癒力を、こころと言い換えてもよいかもしれません。

「箱庭療法」は、欧米と比較して非言語的表現の多い日本の文化に適していると言われています。また、「箱庭療法」は、自己表現が苦手な子供さんから大人まで用いる事が可能です。

治療者(臨床心理士や精神科医)の役割は、箱庭が作られるとき、その過程を見守ることにあります。

砂浜で一人ぼっちで作るのは寂しい感じがしますよね。
箱庭の枠の中に、見守られながら作るのは、一人ぼっちではない、という安全感があります。
ちなみに、さんクリニックの病院理念は「一人ぼっちの人の味方に」です。

ところで、「箱庭療法」においては、砂が基本的な道具立ての1つです。
砂には、その感触を通して、人間が本来持っていて、忘れがちになっている感覚機能に働きかけ、心の防衛を解き、人をリラックスさせ、退行を促す作用があると指摘されています。

人は、形のないものやことがらで悩んだり苦しんだりしていることが多いものです。
人間関係や、未来や過去や、身体の特徴や性格や、環境への不満などなど・・・。

どのような箱庭を作るか、そこにはほかならないその人だけの心が表れています。

箱庭は、目に見えないもの、普段手が届かないもの(その代表は心でしょう)を安全な形に変えて、さわることができるようにする作業に似ています。
さわって確認する、形を変えてみる、壊してはもう一度最初から作り直してみる。
普段願ってもかなわないことばかりです。

「箱庭療法」で作品を何度も繰り返して作ることは、やがて、ある納得とか、再生・復活とかにたどりつくための一つの道なのだと思います。




さんクリニックの箱庭療法